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2012/06/01

雑誌にDVD付録 | DVDの時代の終焉

 420円のマンガ雑誌に、3時間20分の
アイドルDVDが付いていた

先日、コンビニに行ったら「ヤングアニマル」というマンガ雑誌が目に止まって思わず買い求めた。
DVDが付いている。税込420円の雑誌に収録時間3時間20分ものアイドルDVDだという。おれは、昔からオマケやら付録には耐性がない。 ついレジに持って行ってしまった。
DVDは片面二層記録、映像はきれいで篠崎愛、吉木りさ、小池里奈など合計10名のグラビアアイドルの撮りおろし映像が収録されている。撮りおろしと言ってもグラビア写真撮影のメイキング場面が多い。
ところが、4,000円くらいでリリースされるアイドルDVDのなかにはほぼ全編、写真集撮影の様子を収めてお茶を濁すようなタイトルもあったりするんである。収録時間はたかだか1時間前後。
「ヤングアニマル」の付録DVDでは、篠崎愛のパートが45分というボリュームを確保している。ほかのアイドルたちは20〜30分くらい。
マンガ雑誌だとか、一部グラビア誌ではよく付録にDVDが付いてくる。
アイドルDVDの十分の一の価格の雑誌に、グラビアアイドルのDVDが付いてくる。これは、ただでさえ大きくはないアイドルDVDの市場に打撃を与えたりしないだろうか?
既得権益を脅かす動きだとは言えないだろうか。



実は、アダルトビデオの世界ではネットの影響でDVDが売れない事態が出来しているのだという。
2012年の4月末に放送されたTBSラジオ「文化系トークラジオ Life」に出演した二村ヒトシ監督は、「ネットによって無料コンテンツが増え、エロ消費も減った」と指摘した。さらに、海外サーバーに置かれた無修正動画の配信の影響も大きい。
AVのソフトを買ったり借りていた人たちは、ネットで見られるサンプルムービーやらエロ写真やらで満足してしまうようになったのだ。(もちろん、アンダーグラウンドなコンテンツが市場を侵食しているという問題も少なからずあるとは思う)
それでもAVのDVDが出続けるのは、流通を守るためだという。
(音源がアーカイブされているので、興味のある方はどうぞ)

※「動員とマネタイズ」part8(外伝2)

そういえばコンビニの片隅にあるエロ本は、揃いも揃ってDVD付き、それも2枚、3枚、4枚も付いていて、10数時間の長時間収録だ。実質DVDに紙の頁がくっついてくるといった体で、アダルトDVDの市場を奪っているかもしれない。290円の雑誌にサンプルムービーを多数収めたDVDが付いていたりして、<実用>としてはそれでも済むのかもしれない。ただし、カウンターにいるのが女性の店員だとなかなか精算しにくい。

グラビアアイドルの市場も、はるかに規模は小さいけれども同じような状況だと思える。ネットの影響は深刻だが、さらに、マンガ雑誌に付いてくるアイドルDVDは、少なくない数の潜在顧客を奪っているように感じる。

いや、<グラビアアイドル>自体、瀕死の市場ではあるんだけれども。
最近まできわめて小さなサンクチュアリだったかもしれない。ソフトショップや書店でっ催されるイベント、撮影会など、アイドルとファンが作り出す(幻想としての)サンクチュアリだ。けれども、もうそんなものはなくなったように思う。

コンビニに行くと、DVDを付録にする雑誌がけっこうある。
女性誌にはメイクのしかたを解説したDVDや、ヨガやダイエット体操を紹介するDVD、「anan」では女性向けアダルトDVDが付いたこともある。この号、珍しくて購入した。
ほかにもパチンコ雑誌には攻略法DVD、DVD/Blu-Ray情報誌には長尺の映画プロモーション映像だとか、海外ドラマ第1話をまるまる収録したDVDが付くことがある。「週刊SPA!」にはJ.J.エイブラムス監督の「スタートレック」の前半をまるまる収めたDVDが付いたのは驚いた。製品盤よりビットレートを低く設定していたけれど・・・。




光学メディアは終焉へと向かう

DVDがごく当たり前に雑誌の付録となる。
レンタル屋の貸出料金は、旧作が100円を切る。
DVDなどもう終りが近いメディアで、「古い」人にはうってつけなんだろう。

パッケージメディアの主流は、映像ソフトもゲームソフトもBlu-rayに移行しつつある。
(当方、まだBlu-rayを再生できる機器を持っていない。今のところ、持つ予定もない)

と思いきや、世間ではすでに光学メディアはすでに古いということらしい。
音楽も映画もネットからダウンロードするかストリーミングで見聞きするのが当たり前という時代が来ているらしい。「総選挙」などという商法で、一人に何十枚も買わせてミリオンセラーということにしてしまう以外の大抵のCDが売れず、DVDの売行きも落ちてきた今、記録メディアはあまり持たないで、ネットの向こう側にある音楽や映画にアクセスするのが主流になりそうな雲行きだ。
iTunesストア、hulu、そのほか携帯キャリア各社の音楽や動画の配信サービス、ウェブサイト上の有料動画配信サービスや、音楽の超高品質データのダウンロード販売など、知らないうちにサービスが充実してきた。
おれはMacBook Proを使っている。で、6月に次期MacBook Proが出るというので買い替えをしたいと考えている。
今、出回っている予想によると、新しいMacBook Proは光学ドライブをなくすらしい。
データストレージはクラウドに置いて、都度アクセスしろということのようだ。
そうか、すげーなぁ。ぜひ我がものにしたい。
そうすると、おれは膨大な枚数のDVDのコレクションをどうやって再生するのかという課題にたちまち直面することになる。
というのも、いまおれがDVDを視聴できるツールはMacBook Proしかないからだ。
いまのMacBook Proを下取りに出し、新しいMacBook Proを買うとおれがせっせと焼いてきたDVDは役立たずな円盤と化してしまう。
どうしよう。

でも、DVDを再生する機器を持たなければ、わが悪いクセ、記録メディアを貯めこむクセと決別する絶好の機会になるかな。
これまで、カセットテープやビデオテープもものすごい数貯めこんだけれども再生する機器がなくなったので廃棄した。何年にもわたっての収集の成果は跡形もない。
VCDという珍しい規格の映像メディアも、香港で大量に買って死蔵してある。

この悪癖を持ち続ける限り、メディアの規格が変わるたびにおれは旧い規格のメディアを捨て続けるだろう。その連鎖を切るのは今かもしれない。

でも、安いマンガ雑誌の付録DVDに嬉々としているおれは、はたしてDVDを捨てる勇気を持てるのだろうか?

1 件のコメント:

  1. 初めまして、エルと申します。

    書籍とDVD(基本的にはオリジナルビデオ)との併売(特に漫画本とオリジナルアニメDVDとの組み合わせ)は、一種の抱き合わせ商法であるといえますね。
    ちなみに祖母が購入していた通販生活で抱き合わせとして「みえない雲」なる原発事故をテーマとしたドイツ映画のDVDを譲り受けたことがありました。

    BD再生機器を3台持っていますが、安易に持ち運びやすいPSPやタブレットPCで鑑賞する機会が多くなり、脇に追いやられてしまっています。

    今更ながら昨日、BD-R 50GBの10枚入りをパソコン工房にて、1980円で購入し、今後は動画のバックアップとして使う予定です。

    レンタル程度ではありますが、ビデオ映画(Vシネマ)やOVAビデオアニメの一部作品が徐々に有料配信されつつあります。

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