Pages

2018/01/30

『宇宙戦艦ヤマト2202』衝撃のラスト!

『宇宙戦艦ヤマト2202』には宗教ぽいモチーフがちょこちょこ出てくる。


坊さんとか。





ガミラス艦の艦体に、経文のようなものがあるようなないような。
あと、この盾は『2202』から付いたものですよね。
宇宙空間なら、四方に付けないと防御の意味がないような。その場合、攻撃する場合はどうするんでしょうね。絵面がいいとか思い込んで、整合性が取れなくなった典型じゃないですか。


ヤマトの模型は、一体何なんですかね。

宇宙戦艦にお経みたいな文様があったり、女神様というか精神体というか、テレサという女性の人格を持ってると思われる存在が蓮の花に座った姿で登場するだとか、仏教ぽいビジュアルが散見される。
これは何なのだろうか。
制作者もしくは内容について権限を持つスタッフが自分の帰依する宗教からイメージを引っ張ってきて使ってるのだろうか。
「製作委員会」にどっかの仏教系宗教法人がカネを出して口も出してるとでもいうのだろうか。

まさか「生長の家」=日本会議とか「幸福の科学」とか「顕正会」じゃあるまいな。
その手の宗教と絡んだら、いまの日本に漂う右傾化の空気に乗って人気回復も夢じゃないぞ。






このまま仏教テイストが追加されていったらラストも仏教ぽく改変されるのではないか。


白色彗星帝国の圧倒的な力の前に絶体絶命のヤマト。
突如、テレサが出現した。
テレサは高笑いするズゥオーダー大帝の前で姿を変え、白色彗星帝国よりもはるかに大きな大日如来となった。
巨大な大日如来を中心にして、仏が取り囲む曼荼羅が宇宙に広がる。
『かぐや姫の物語』のクライマックスで天人がかぐや姫を迎えに来る場面のように、だ。





「き、貴様は大日如来!おのれ!」
ズゥオーダーは、我を忘れて叫ぶ。
大日如来が手をかざすと曼荼羅から圧倒的な光の奔流が起こってズゥオーダーは白色彗星帝国もろとも飲み込まれて消失するのだった。
古代は、ああありがたや仏の功徳だと滂沱の涙である。抱いていた森雪の亡骸も息を吹き返していた。
めでたしめでたし。

『宇宙戦艦ヤマト』は『西遊記』の翻案であるから、テレサの正体は釈迦如来でもいいかもしれない。
で、ガトランティスって別な次元から侵攻してきた異種異恨の生命体かなんかで、悪魔とか魔物とか呼ばれる存在でした、みたいなことにしてまあ、破邪顕正ってやつで亡びると。

「大日如来」はエル・カンターレでもキリストでもフロイでもバシャールでも宇宙高級神霊アリオンでも空海でも日蓮大聖人でもなんでもいい。
どっかの宗教法人の教祖や本尊やら信仰神をイメージさせる存在を登場させるのだ。
テレサから変身して姿を出し、古代とか島とかの台詞の端っこにでも教義を織り込んでおけば、信者がチケットを大量購入してくれるから儲かるかもしれないし。








2018/01/14

ジャッキー・チェン映画かつ映画再構築映画。『カンフー・ヨガ』

世の中にはシネフィルとか映画オタクとか映画依存症とか映画キチガイとかが一定数いて、「映画とはこうあるべきだ」みたいな講釈を垂れたりしているが、「そんなことどうでもいい」と教えてくれるのが『カンフー・ヨガ』だ。



灼熱の砂漠に白馬に正装でまたがって異様なまでにかっこいい人が颯爽登場、手に止まるはハヤブサ。
この人が今回の敵役なのだ。
おれはこのシーンにハートをぎゅっと掴まれてしまった。
なんという素晴らしい敵役であることだろうか。



『カンフー・ヨガ』は、このような画になる場面がこれでもかと出てくる。
中国インド問わず美男美女がたくさん出てくる。おまけにジャッキー流のアクションにきちんとついていっているのである。





2018/01/12

血がたぎるヒーロー映画の傑作『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』

『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』がやっと公開される。

原題『西遊記之大聖帰来』は2015年、中国でたった1館で公開が始まるも、アニメファンたちの熱のこもった口コミで評判が広がって公開規模が拡大、192億円のヒットとなった3Dアニメ映画である。
私は中国のシネコンで見て、胸を熱くした。






斉天大聖孫悟空は天上界で大暴れして、佛祖(お釈迦様)によって五行山に500年もの間幽閉されていた、のちに玄奘三蔵法師となる少年・リュウアーは、五行山に迷い込み、孫悟空を覚醒させた。
孫悟空は、地上に復帰したものの、かつての〈力〉は失われていた。
悟空は〈何ものでもない自分〉を抱えて旅する。
長安に向けて旅する孫悟空、リュウアー、猪八戒の前には、最強の妖怪〈混沌〉が立ちはだかる。
これは、孫悟空が斉天大聖として復活するまでを描いている。
そこにしぜんと、「ヒーローとは何か」ということを考えずにいられなくなる。

五行山を500年ぶりに出たが、力の大半は封印されたままの、孫悟空。



子供のキャラクターの可愛らしさにも注目。


敵は、妖怪〈混沌〉。
カッコよさが支持されて中国ではコスプレする人も出た。



この映画で特筆すべきは、アメリカ製3Dアニメにはない、色彩感覚と目を奪われるような凄いアクションシーンである。
天上界の軍勢と悟空が繰り広げる闘い、悟空と〈混沌〉の繰り広げる凄まじい速さで展開する闘い。
悟空の繰り広げるアクションは、ジャッキー・チェンやジェット・リー、ドニー・イェンといった大物たちのアクションに通ずる爽快さにあふれていてワクワクする。見ていてカラダを動かしたくなるようなリズムがあるのだ。

この映画は、ヒーローもの映画・ドラマが好きだという人には必見だ。
映画のクライマックスで、孫悟空が復活して凛と立つ姿には痺れるようなかっこよさがある。
これほど素晴らしいヒーロー像を描いた映画もない。
そう思っている。


これは、チャウ・シンチーの撮った傑作『西遊記~はじまりのはじまり~』。
奇っ怪としたいいようのない妖怪やヘンテコなキャラクターが続々登場する。
そして、かつて見たこともない斬新ともいえる悟空が登場するのである。







2018/01/10

大胆なリブートが成功した傑作『Devilman crybaby』

鑑賞する前の予想を完璧に裏切られてしまった。
湯浅政明監督の『Devilman crybaby』である。



『デビルマン』はこれまで何度となく映像化されてきた。
TVアニメ、実写映画、3回のOVA(レンタル/セル用オリジナルアニメ)、師匠である石ノ森章太郎の代表作『サイボーグ009』とのコラボレーション・アニメ。
7度目に当たる映像化が『Devilman crybaby』である。
Netflixで世界同時配信されている。

今回のネット配信シリーズはこれまでの映像化とはまったく違っていた。
いっけん、原作から遠いが、見終わればもっとも近くにある作品だと気づく。

これはふたつの稀有な才能が結びついてできた傑作である。