このページは、個人的な備忘録である。
予め、予告しておくが、文字量はバカみたいに多くなると思う。
西崎義展がどういう人であったかの一端を覗き見たいと思ったので、検索で西崎義展とヤマトについて書かれたテキストを集めてみた。それを「カットアップ」で再構成しようとお思っている。
カットアップは、フレーズをバラバラにして組み立てなおす、執筆や音楽制作で用いられる手法の一つである。
まずは、放送の2日前にラジオドラマ版「宇宙戦艦ヤマト」のシナリオ執筆を依頼された藤川桂介氏のおはなし。
ラジオドラマ版は、4時間に及ぶ生放送だった。
魔法のクスリ
○藤川桂介、西崎義展を語る「宇宙戦艦ヤマト」の映画での大ヒットに目をつけて、ニッポン放送では、そのラジオ・ドラマを生放送しようという企画を持ち込んできました。
いつものことでしたが、話が決まってぼくに脚本の依頼があったのは、実に放送の二日前といった状態です。
かつてラジオ・ドラマを書いていたとはいっても、無茶苦茶な話です。
しかしこんな切羽詰まった状態で、あの膨大な話を、すぐにまとめられるのはぼくしかいません。結局引き受けざるを得ませんでした。
ストーリーの全容は熟知しているので、全体像をきめることは、そう難しいことではありませんでしたが、それでもいよいよ脚本を書く状態になったのは、午前二時近くになってしまっていました。
それまでさんざん打ち合わせをしてきているので、疲れも極限にきていました。
いよいよ執筆というところまできたところで、睡魔が襲い始めたのです。
「もう駄目だ」と思いました。
実はここへ入るとき、プロデューサーのN氏が、
「眠くなったら、これを飲んでください。おまじないです」
小粒の錠剤をひと粒渡してくれたんです。
ぼくはそれを、コップに注いだ水と一緒に置きました。
「怪しけなものではないのか?」
&そんな不安があって、それを呑むことに躊躇しました。しばらく睡魔と、白い錠剤とのにらめっこがつづきました。しかし原稿を書こうと思っても、ただ眠くなるだけです。ついにぼくは決心をして、その「おまじない」を飲み込んだのでした。
あーら不思議。それから数分も経たないうちに、睡魔からも解放されて、妙にうきうきとしてくるのです。もう午前三時は間近。ぼくは夢中で書き始めました。一気に書いて、ついに約束の午前八時には、原稿を持ってロビーへ下りて行ったのです。
それにしてもあの魔法の錠剤は何だったのでしょう。
一説では鬱病の薬だということでしたが??
藤川桂介 『アニメ・特撮ヒーロー誕生のとき ウルトラマン、宇宙戦艦ヤマトから六神合体ゴッドマーズまで』 ネスコ、1998年






