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2012/06/11

CDは手売りの時代へ

街を歩いていて、もしくはショッピングモールに出かけた時、確かここにCDショップがあったはずだ、と思って足を向けることがある。けれども、なくなっていることが多い。街なかの本屋とCDショップはどんどんなくなっていった。どちらも、大型のチェーン店ばかりになりそうだ。

思い返すに、この数年、あまりCDを買っていない。たまに買うときにはアマゾンで買う。ラジオで曲を聴いて気に入って購入するパターンが多い。そういったわけなので、CDショップには足を運ばなくなってしまった。
iTunesでダウンロード購入することもある。1曲単位で買えるのはありがたい。
ああ、でもCDも音楽配信も買う機会が減ったな。
気になる曲はYouTubeで検索してそれを聴くようになった。
検索すると、聴きたい曲は見つからないということがない。しかも、CD化されていない珍しい音源も見つかったりするからたまらない。
ずっと音楽を聴いていたい時にはネットラジオにアクセスするか、サウンドクラウドというサイトでDJがつないだRemixを探したりしている。
おれは音楽業界にほとんど貢献していない。

昔、レコードプレイヤーを持っていなったおれは、レコード屋のカセットコーナーに行って、テープとして売られるアルバムを買った。それは数百本に達し、加えてエアチェックしたテープも千本以上あった。
だけど、引越しですべて捨ててしまった。
その後、CDに移行した。
しかしながら、ある時期からテレビやラジオなどで耳にする歌に関心が持てなくなった。とりわけJ-Popなどというコトバが登場した頃から。<何を聴いてもつまらない病>にかかったので、当然CDは買わなくなった。かろうじて、昔聴いたアルバムの再発売盤を細々と買う程度。
J-Popが空前の好況で小室サウンドだとか、B'zだとかのブームもまるで知らずに過ごした。
日本のレコード業界が我が世の春を謳歌していた時期を知らず、今、衰退してしまったことを知る。

日本のCD生産額は1998年の5878億円がピークで、以降は減り続けた。2009年には2459億円。今年はさらに減っているはずだ。
みんな、CDを買わなくなったんだなあ。
市場規模が半分以下に縮小したので、ショップも立ちゆかないのは致し方ない。
街に出るとCDショップはあまり見当たらない。目立つのはチェーン展開するレンタル店ばかり。地方都市などに行くと、商店街からレコード店は消えて、ロードサイドやショッピングセンターのなかにあるチェーン店ばかり。クルマに乗っていかないとCDが買えない。
今後、どんどんCD店は潰れて、大手チェーン店もレンタル店も不採算店を整理すると思う。

大物アーティストたちのCD売上も著しく低下している。
http://d.hatena.ne.jp/wasteofpops/20120610http://d.hatena.ne.jp/wasteofpops/20120610


未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ)

世界のエンタメ業界地図2012年版 (ビジネスファミ通)


もうCDは古いメディアだ。
あの大きさでデータ容量はたかだか700MB、収録可能な時間は74分。もはや貧弱だ。
しかも、数が増えると場所を取る。
iPodに慣れると、CDプレーヤーの操作すら面倒に思える。
音楽は、ネットでデータとして買うほうが合理的なのは言うまでもない。
けれど、音楽が「アルバム」主体ではなく、バラ売りになるのはいささか寂しい。

CDの売上低下についてもうひとつ考えられることがある。
CDの中身=音楽とその価格設定が見合っていない、そう考える人が多くなったのかもしれない。価値のない音楽に高い値付けがされている。高くて品質の低いものが流通していて、消費者が購買を控えるようになったのかもしれない。
せいぜい出せる金額はレンタル代くらいですよ、と。

され、CDはどうなってしまうのか。
ふと頭に浮かんだのは、浅草やアメ横や亀戸にある演歌専門のレコード店。
じつはレコードは置いていない。CDもあまりなくて、売り場のほとんどがカセットテープによって占められる。
演歌を聴く人=世代はカセットが扱いやすいようだ。
そう遠くないうちに、CDもそうなってひっそりと販売されるようになるかな、などと思う。パソコンにもデジタル音楽プレーヤーにも縁がなくて、CDラジカセを愛好する人が買うのだ。

近頃、<アーティスト>と称する人たちもイベントを催して、会場でCDやグッズを手売りをするのが主流になっているようだ。でないと、お金が入らない。
<アーティスト>などと言っても、レコード店やスナックを廻ってCDを手売りする演歌歌手と同じだ。面白い。

で、パッケージメディアが廃れたあとはどうなるんだろう?
あれか、クラウドに音楽データを置いてネットを介して聴くのかな?
高音質音源のダウンロード販売は、興味ある。

2012/06/06

旅に出てタバコをやめた。

タバコを吸わなくなって、約3年経つ。

3年前の夏、10日間ほどの旅に出た。おれは家人に「タバコはやめた」と嘘をついて隠れて吸っていたので、旅の間は吸わないことにした。
最初の2、3日は、タバコを吸いたいという衝動がたえず襲ってきて辛かった。
しかし4日を過ぎる頃からその衝動が来る周期が長くなって、辛さもだいぶ軽くなっていった。衝動と戦いつつ、旅先のそうして10日間吸わずに過ごした。
行ったのは中国・雲南省の麗江と大理、そして上海。観光にしても食事にしても色々と刺激的な体験に満ちていたので、タバコが吸えないイライラはかなり紛れた。
禁煙のきっかけに旅を使うのは悪くないかもしれない。
まず、出国したら免税店のタバコ売り場の誘惑を振り切るところから始めるのだ。

旅が終わって帰国した。
思いのほか、禁断症状が軽微だったこともあり、タバコを吸わないことにした。本当に吸いたくなるまでガマンしようと決めた。隠してあったタバコとライターを捨てた。
止めよう、というのではなく、ガマンするのだと自分には言い訳した。意思が弱いので、逃げ道は作っておきたかった。
タバコを吸いたくなったら、水かお茶を飲んだ。飴やガムは使わなかった。糖分の過剰な摂取と代替品への依存は避けたかった。
水やお茶を飲めば、タバコを吸いたい衝動は薄れる。その代わり、トイレに行く回数が増えた。
あと、コーヒーを飲むのをしばらくやめた。
それまでは、タバコを吸うとコーヒーが飲みたくなり、コーヒーを飲むとタバコを吸いたくなるという悪循環を繰り返していた。一日に10杯以上もコーヒーを飲んでいたので、とうぜんタバコの本数も多かった。
おれはニコチンとカフェインに強く依存していた。

そのうち<タバコを吸いたい衝動>が来る周期はどんどん長くなっていった。
ひと月、半年、1年と、タバコを吸うのをガマンし続け、今に到る。
禁煙の体験談を記したブログを色々と検索してみると、おれはずいぶんと楽にタバコと縁を切れたようだ。離脱症状に苦しんだり、病院に通たりさまざまな禁煙グッズを試したりろ、それなりにお金を使ったりという人が多い。
我ながら幸運と言うしかない。水とお茶で気をまぎらわせるうちにタバコに手が伸びなくなったのだから。

タバコを吸わない苦痛より、タバコを吸わなくなって体調が良くなった喜びのほうが大きかった。
タバコを吸わなくなって、朝の目覚めはとても快適なものになった。
タバコを吸っていた頃は、目覚めが不快だった。胸のあたりが気持ち悪い。とくにタバコを吸い過ぎた翌朝は最悪で、気持ち悪い上に胸が痛くなったりしていた。
で、どこかで見た「タールで汚れた黒い肺」の写真が脳裏に浮かんでぞっとなる。ところが
旅に出てタバコを吸わなかった。翌朝目が覚めたとき、気持よく目を覚ますことができた。それは何年も味わえなかった気持ちよさだった。
動悸や息切れをしなくなったのも、うれしかった。
ちょっとした階段を上がるのにも息が切れていたおれは、タバコを吸わなくなって半年後、、マンションの非常階段を8階まで登っても平気になっていた。





禁煙した多くの人と同じで、タバコの煙がひどく苦手になった。
屋外の喫煙所や、喫煙可のコーヒーショップを避け、分煙のレストランでは禁煙席に行く。
やむなく街なかの喫煙所の前を通るとタバコの煙にむせそうになって、足速になる。おそらく、その時おれは顔をしかめていると思う。
タバコのにおいがとても苦手になってしまった。

しかし、今でもたまにタバコを吸いたい、と思うことがある。その気持はすぐに収まるけれども、やはり<中毒>から抜け出すのは容易ではない。

2012/06/05

ヤマト2199・ガンダムUCとアニメの黄昏

考えてみれば、アニメはテレビをつけたらただで見られるし、ただで録画できるものだ。
アニメ番組を放映し、見ている子供や大きな子供対象の商品を扱っている会社がスポンサーになってCMを流す。結果としてモノが売れれば、会社は儲かり、子どもや大きな子供は喜ぶ。シンプルなWin - Winの関係だったはずだ。
深夜に放映しているアニメ番組は、DVDやBlu-ray、キャラクター商品を売るためのプロモーションとしての色合いが濃い。気に入った人はもっと画質の良いソフトや、グッズを買ってねというわけだ。
これまた、ただで見られる。
そんな当たり前のことを思い返したのは、「宇宙戦艦ヤマト2199(1)」のBlu-rayの値段の高さに驚いたからだ。
ただで見られるはずのアニメがカネを出さないと見られなくって、しかも高い。
50分、TVアニメ2話収録したものが7,100円。
これは高いと思う。販売元のバンダイビジュアルは、もとより映像ソフトに高い値付けすることは承知している。でも、それにしても高い。
「宇宙戦艦ヤマト2199(2)」は4話収録、特典映像を含めて166分で8,100円。50分で7,100円に比べると安く感じられるけれども、amazon.comでアニメのBOX価格を調べると、日米の価格の隔たりには驚くしかない。

Infinite Stratos 

以前、「ブレードランナー」のDVD-BOXの国内盤を買おうと思ったら1万5千円で手が出ず、アメリカ盤を買った。国内盤の5分の1だったので。この差は大きい。(後に、国内盤も新古品3千円でゲットしたけれども)

今どきアニメーションのソフトの価格とは「価値」「満足」への対価なのだから、「高くないよ」と言えるひとが買うんだろう。




この「宇宙戦艦ヤマト2199」に先立って、「機動戦士ガンダム Unicorn」は全国映画館での期間限定イベント上映、DVD・Blu-ray発売、ネット有料配信の戦略が功を奏して大ヒットになった。ヒットの理由について、サンライズの宮河恭夫プロデューサーが講演のなかで語っている。

宮河
それで、まずやはり有料配信が物議を醸しまして、有料配信をしちゃうと映画館に人が来ないんじゃないかとずいぶん映画関係の人から言われま した。でも僕は「関係無いよ」と。映画館というの大きな画面で見るわけだし、有料配信っていうのはネットで見るので限られたサイズの画面でしか見られない ということで。ただ実は有料配信に関してもクオリティの高いものを見てもらいたいというのがありましたので、安定的なHDが見られる環境でPlayStation Network(PSN)が当時一番だったのと、ガンダムUCのターゲット層がPS3の購買層と合致したので、PSNと組んで最初はHDで独占配信しました。ちなみにここでも面白いデータが出て、HDとSDでのネット配信では、HDの購入数のほうが圧倒的に多かったです。

結果的にイベント上映、有料配信、そしてBlu-rayがどういう効果をもたらしたかというと、おかげさまで成功だったと思います。エピソード2のとき は、映画館用に5000枚用意したBlu-rayが1日で売り切れてしまいましたので、エピソード3では1万枚は用意しようと思っています。公開している 映画館10館でそれだけ売れて、一般市場では20万枚を超えるヒット作と考えています。先ほど言ったPSNでも非常に高い数字が出ていますので、みんなが考えてる大人の事情のウインド戦略っていったいなんだったんだろうな、というのが今の感想ですね。

     GIGAZINE
  「これからは大人の事情の戦略は通用しない、サンライズ宮河常務の語る今後の

   コンテンツ産業の新マーケティング」から引用。

 「ウインド戦略」は、「映画公開後、またはTV放映後、ウインドを開けてDVD・Blu-rayを発売する」という意味なんだという。その間に購買意欲が下がるから、公開・配信と同時にDVD・Blu-rayを出してみようとした。で、これが大当たりした。

当然、<柳の下のどじょう>が出てくるだろうなと思っていたら、それが「宇宙戦艦ヤマト2199」だった。
1エピソード24分というTV放映の長さになっているところからすると、当初はテレビ放映主体の展開を目指していたのかもしれないとも思う。
「宇宙戦艦ヤマト復活篇」という大駄作にして興業失敗作のあとだけに、果たしてどうなるかと思っていたけれども、セールスは順調のようだ。
まあ、一部公開・配信されたPVや1話冒頭を見て興奮しないオールド・ファンはいないだろうけれども。あれで一気に盛り上がった。
単純な話、ていねいに作ってあって質が高いアニメだったら食指が伸びるし、ソフトを手元に置いておきたいと思うわけだ。で、ソフトがほしいとなったらamazonですぐに買える。ウェブサイト上のプロモーションは、販売に誘導しやすく効率がいい。
あと、ほんらいアニメは好きあのだけれども、今放映しているアニメはどうにも肌に合わないというファンにも福音となったんだろう。

「ガンダム Unicorn」「宇宙戦艦ヤマト2199」ともにDVD・Blu-rayを売るための戦略であり、それが見事功を奏した。購買意欲が高いうちに一気に売る。
しかし、「ガンダム」「ヤマト」という強力なコンテンツだからこそ売れた点は否めない。この手法でオリジナル新作を売ったらどうなるんだろう?

こういうアニメの売り方にも高齢化社会・少子化社会の影響が見て取れるように思う。
子供がどんどん少なくなっていき、市場が狭まるとアニメの視聴者は減っていく。
それを補って新しい市場を作りたい。
となれば物心ついた時からアニメを見て育ち、いまだにアニメから離れない層を深く掘ろう。しかも、思い切り客単価を上げよう。
いま頃「宇宙戦艦ヤマト2199」に続こうと企画書を書いている連中はわんさかいるんだろうなあ。


そういえば、「仮面ライダー」もちょっと方向性は違うけれども、子供以外のお客さんづくりをかなり意識している。
とくに近年の映画はTVと違う層をねらっている。映画を立てつづけに公開し、DVD・Blu-rayを出す。<ディレクターズカット版>というプレミア性も付加している。
買うのは多分、平成仮面ライダーシリーズを見て育った20〜40代。 しかもイケメン俳優を使ってきたおかげで女性ファンもたくさんいる。
仮面ライダーや戦隊モノの劇場版は、東映の年間興行収入では上位に来るドル箱になっていることには驚く。(というよりも東映は企画が貧困な印象ではある)

しかし、なぜ「仮面ライダー」なんだろう。
個人的には、本格的な特撮モノというか、今の映像技術を投入した、鑑賞に耐えうるSFドラマを見たいと思うんだけれど。
あ、「仮面ライダー」って歌舞伎みたいな閉じた様式美的な世界を持ってるのかもしれないな。そういうのを好む人は「鑑賞に耐えうるSFドラマ」など求めないか。
JJエイブラムスがプロデュースしているようなSFドラマ、日本では夢なのか。





ヤマト2199のイベント上映、どんな人が並ぶかを新宿まで観に行った。予想通り、最初のTVシリーズからファン一筋という人が多かった。
あと10数年後経ったら、中高年向けアニメと特撮の映画がどんどん公開されてアニメ映画・特撮映画の行列はみな千円で入場できる年寄りばかりになるぞ。つまり、いまアニメ映画・特撮映画に行列している連中ががそのまんま高齢化していくのだ。


ところで、「宇宙戦艦ヤマト2199」はTV放映を待ちたい。つまり、ただで見たいと思うのだけれども、地上波で放送されるまでどれだけ待たないといけないのか。
というか、<ビジネスモデル>が不首尾に終わった場合どうなるのか。
単純な話、全7巻のうち、3巻あたりまでの売上が芳しくなかったら、途中で打切りもありうるのではないか?「製作委員会」は、投資に見合った利益を得られないとしたら、さっと撤退するのではないか?
となれば、ただで見たいというのも水泡に帰する。うーむ。

とはいえ。
今は最初の2話がリリースされたばかり。
気がつくとAmazonのボタンを押したい衝動と戦っているところだ。
困ったもんだ。