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2016/09/28

豪華仮装大会!『テラフォーマーズ』

『テラフォーマーズ』は、有名な俳優がみんな昆虫に変態して、ゴキブリと闘う。
これが見ていて楽しい。

ゴキブリといっても、火星環境に適合して進化したヒューマノイドタイプのゴキブリ=テラフォーマーである。ものすごく強くて、繁殖力が強いらしく、夥しい数になって襲ってくるのだ。
50年代SF映画に出てくるモンスターを、CGで描きなおしたような不思議な質感が魅力的である。これが主役のセリフやアクションを待って行動するのだ。好ましい。
有名な俳優も人気俳優も昆虫に変態した姿で殺陣に挑む。ゴキブリの前に次々と負けてしまい、ハデな肉体損壊を披露してくれるのだ。
子供が昆虫を捕まえて手足や首をもいだりする、あの残酷さを連想するような映像が続けざまに登場する。

実にすばらしい。






『テラフォーマーズ』はマンガ映画である。
遅い昼メシを食いにぶらりと入った中華料理店に置いてあるマンガ雑誌を手にとって読んだら、意外と面白くて読みふけった。
そういう感じの映画だ。
この映画の小栗旬やケイン・コスギを見てると、変な絵柄のマンガを連想する。変な絵柄という印象は残るがどんなマンガかは思い出せない。

マンガを読むように気楽に見れば、『テラフォーマーズ』は楽しめる。
CGを操って、キグルミとの合わせ技で人間の演技を大味でペナペナなマンガ的なものに近づけるというのは悪くはない。俳優の演技も大味な感じになってて、作品世界をうまく醸し出していると感じた。

三池崇史は、「カネを出して映画を作る人」を裏切らない作品づくりをする人だ。
予算や納期、(芸能事務所だったり広告代理店だったりその他カネも口も出すスポンサーの)要望に合った映画をきちっと作れる人である。
だから、彼は信頼される。彼の仕事は途切れず、たくさんの映画が撮れるのだと思う。
観客に支持される監督かどうかは、また別な問題だ。
話題になる映画をたくさん手がけていて、雑誌やテレビメディアに取り上げられる機会が多い。だから、それなりに知名度だけはある。
多作だが、何本かに1本はいい出来の作品も撮っている。

カネも出して口も出す人々の意見を調整して、映画としてアウトプットする。
そうした場合、つまらないものになることもないわけではない。

映画『テラフォーマーズ』鑑賞をお薦めする。
何ごとも寛容でありたい。
寛容になってこそ、楽しめるものもある。


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