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2015/12/01

『ターミネーター:新起動』は商業的な2次創作映画

ターミネーター: 新起動/ジェニシス』を見た。
気がつけば、映画の『ターミネーター』も5作めだ。『ターミネーター3』『ターミネーター4』とあまり評判が良くない続編があって、それでも作られた。

『新起動』という邦題はリブートの直訳である。
しかし、この映画の本質を言い当てている気がする。
『ターミネーター3』『ターミネーター4』の世界をなかったことにして、ジェームズ・キャメロンが撮った『T2』から続く世界を描き直した。

映画はここに来て「書き直し」されて新起動したのだ。





『ターミネーター』と名の付く映像作品は、断続的に公開されている。

映画

ターミネーター  (1984) ジェームズ・キャメロン
ターミネーター2(1991) ジェームズ・キャメロン
ターミネーター3(2003) ジョナサン・モストウ
ターミネーター4(2009) マックG
ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015) アラン・テイラー

TVシリーズ

サラ・コナー・クロニクルズ(2008 - 2009)

低予算で撮られた『ターミネーター』がおおいに評判を呼んで、新興の映画制作会社「カロルコ・ピクチャーズ」が権利を買い取り、大予算で『T2』が制作された。
これが大ヒットとなった。
『T2』の爆発的なヒットで、続編やTVシリーズにつながったようだ。
しかしながら、TVシリーズも『ターミネーター3』も『ターミネーター4』も評判はよろしくない。
だというので、「書き直し」だ。

2029年、人工知能の反乱により、人類は滅亡の危機にあった。人類抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーは、敵が母サラ・コナーを抹殺するため殺人マシン “ターミネーター”を過去に送り込んだことを知り、サラの命を守るために信頼できる同志カイル・リースを1984年の過去へと送り込む。しかしそこに待ち受けていたのは、逞しい女性戦士に変身していたサラと彼女を護り、戦士として鍛えたT-800型ターミネーターだった。
すでに、すべてのタイムラインがリセットされ、過去と未来は完全に書き換えられていた。

<すでに、すべてのタイムラインがリセットされ、過去と未来は完全に書き換えられていた>
要は、設定がごちゃごちゃになっていろいろ手詰まりになっちゃったので再起動してリセットしますよ。
そういうことだ。
同時に映像技術も進みましたので、バージョンアップしましたよ、という映画だ。ジェームズ・キャメロンの作品の正当な後継と宣伝して観客を呼べると踏んで、制作されたようだ。
まず、サラ・コナーが美人。彼女を見るだけで元が取れる。
若いシュワルツネッガーと年をとったシュワルツネッガーのバトルとか、最先端の映像で描かれる イ・ビョンホンの液体金属ターミネーターT-1000とか、新しく登場したT-3000とか、映像表現の進化を実感できる。

『ターミネーター:新起動』の世界は、ジェームズ・キャメロン版『ターミネーター』から分岐した並行世界が舞台だ。
ジェームズ・キャメロン版『ターミネーター』『T2』に接続し、そこで描かれた歴史が書き換えられていく。つまり、『ターミネーター3』『ターミネーター4』の世界には行きません、これからの世界で続きを書きます、ということ。
商業映画だけど、同人世界の2次創作のようなことをやってる。

この映画は、続編を匂わせる作りになっている。
『さらば宇宙戦艦ヤマト』を墓に埋めて『宇宙戦艦ヤマト2』で分岐した世界を描いたみたいに、続く世界が描かれるのだろうか。

これで観たいと思ったあなたは、下の画像からすぐ見ることができる。
ブログがレンタル屋につながってるのだ。



昔の映画がどんどん作り直しされるが、どれもこれも並行世界が舞台になったらイヤだな。安直すぎるし。

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