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2015/11/10

堀江由衣はフルCG化したらどうだ。

堀江由衣の「Asymmetry」という曲のプロモーション・ビデオを見た。
正しくアイドル的な、アイドル以外ありえない世界で、アイドルが歌う。長くアイドルをやってる堀江由衣が歌うのだ。

昔、ある時点で年齢を重ねることを止めたらしい堀江由衣は、この映像でも齢をとってはいない。
ファンタスティックである。



すばらしい。

堀江由衣は、声と歌と映像の世界にあって、永遠の存在だ。
ファンは年齢を重ねていくが、彼女は留まり続ける。
もしかしたら、ファンの子や孫の世代になっても、堀江由衣はそのままなのではないか。



堀江由衣は、何年か前からウォッチし続けている。

私は画像加工に興味を持っている者である。
写真に色々と手を加えることが好きだ。
堀江由衣はそのケーススタディとして適しているのではないだろうか。
声優雑誌を見ると、堀江由衣はじめ数々のアイドル声優が登場するが、掲載されているグラビアがなかなか興味深い。
現実から浮遊した、夢のような不確実な何かを焼き付けたかのようなグラビア。


「夢を売るような写真」と言ってもいいんじゃないだろうか。
声優雑誌は、編集プロダクションか印刷会社かは知らないが、フォトレタッチャーという職業に就く人の腕が試される場だ。

しかし、「加工」は、何かを得るのを引き換えにして何かを失うものなのだ。
雑誌に載ってるおもに女性の人物写真は、引きつったもしくは凍ったような表情を丹念に磨き、画像全体を明るくするような画像ばかりに思える。






さらに、堀江由衣のプロモーション・ビデオを見る。
すると、高画質化する映像の加工技術、もしくは動画におけるアンチエイジングというものを実感できる。パソコンでもカンタンに画像をいじれるようになった時代なので、ローコストで加工できることもわかる。

しかし、限界も感じることになる。
動画全体が淡いというかうっすら霞がかかってるというか、高画質の良さを殺ぐものになっているのだ。
HDならではの高画質という美点をなしにしても守るべきものがあったのである。
うむ。







堀江由衣は基本的に「キメの表情」しかしないので、 動画であっても表情があんまり動かない。
過去にさかのぼってさまざまなプロモーション・ビデオをチェックしてもやっぱり表情が動いていない。
連想するのは、リアルを指向する人物CGがぶち当たる「不気味の谷」である。
動いている様子に違和感を覚えるのだ。

実写でありながら、アニメ的だとも言えるのであって、声優としてはそれでいいのかもしれない。
もう一つ言うと、数年前のプロモーション・ビデオも今のプロモーション・ビデオもさしたる差がなく、時間と切り離された世界だった。



ここで提案したい。
今後、メディアに登場する堀江由衣の映像と画像は、ある年齢での詳細なデータをもとにしたフルCGにしたらどうか。
動きは、ある程度の年齢まではモーションキャプチャにして、それに「ガワ」を貼り付けるものにする。

CGで堀江由衣を描く。
このことで、リアルな、映画でも援用できるような「人物のCG化」のノウハウ蓄積にも寄与するかもしれない。

堀江由衣が<年齢を重ねる>という選択を取らない戦略ならば、仮想的な存在へとスイッチしていったほうがいい。
アニメの吹き替えやラジオ番組では喉をケアしていけば70歳になってもいまの状態で続けていける。
とすれば、「ガワ」を変えなければいい。
ヘアスタイルやメイクやファッションは変わっていくが、容姿は原則として変化しない。
堀江由衣の「声」も電子的に作って、シナリオに沿って話せるトーキング用のデバイスでも作れたら、もっといい。
実体としての堀江由衣が世を去っても堀江由衣は生き続ける。

「アイドル声優」というビジネスモデルにあって、これを巧妙にできたら、声優ファンがシルバーエイジになってもカネを搾り取れるのではないか。
「幻想を売る」行為が巧妙に実行できたら。



2 件のコメント:

  1. 堀江由衣原案のフルCGの3Dキャラクター「ミス・モノクローム」がライブに登場したりしているのは、あながちその未来を具現化する最初の一手なのかもしれないな

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    1. 「ミス・モノクローム」、知りませんでした。
      いつか、堀江由衣は後ろに引っ込んで、「ミス・モノクローム」が重手に出るのかもしれないですね。

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