2015年の秋に「イベント上映」で2週間の限定公開である。
ということは、DVDとBlu-rayの販売、さらにはネット配信で儲けることを想定しているのだろう。
ターゲットは、もちろん、40歳以降の可処分所得が多いアニメファンだ。
ひとつは1960年代、もうひとつは1970年代に描かれた。どちらも、何回となく映像化もされたマンガだ。
これをリブートだのコラボだのの単語をくっつけるとそれっぽいが、売れ残った古い品物を虫干しして縫い合わせたみたいな、怪しげな商品みたいだ。
まったく違う世界を描いているはずなのに、同じ世界にいられるのだろうか。
『サイボーグ009VSデビルマン』は、 「石ノ森章太郎」「永井豪」の名で客が反応するのか。それには興味がある。
いや、正しくはDVD・Blu-rayがどれけだけ売れるのか、興味がある。
これは若いアニメファンをターゲットにしたものではないことは言うまでもない。かつて石ノ森章太郎ファンだった人と永井豪ファンだった人の財布をあてにしているのだ。
とりわけ、「石ノ森章太郎」に反応して金を出す者がどれだけいるのか、気になる。
いま、「仮面ライダー」で石ノ森章太郎の名前は「原作」とクレジットされている。もちろん、冥界でストーリーを書いてこの世のスタッフに送り届けるなんてことはできっこないのだから、ただの名義貸しにすぎない。
で、『サイボーグ009VSデビルマン』でも名義とキャラクターが使われた。
『サイボーグ009』の名を目にすると心がうずく。
ある時期、夢中になって読んだからだ。
繰り返しくりかえし、舐めるようにして読んだ。
その作品世界も登場人物も深く愛した。
だが、ある時期以降に読まなくなった。
「天使編」「神々との戦い編」が両方とも物語の端緒を描いた思わせぶりなところで終わってしまった。これからどうなるのかというところで終わった。
石ノ森章太郎は、 「天使編」「神々との戦い編」を封印して『サイボーグ009』の単発エピソードを描くようになる。
画柄は『サイボーグ009』と同じだけれど、描かれた内容は空疎で印象には残らない。その頃のほかの石ノ森章太郎作品と同じく。