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2014/10/14

4K映像の時代。豊かな映像規格と貧しい番組内容

 YouTubeで「4K」というキーワードを入れて検索すると、とっても美しい動画がヒットする。ただし、重い。
4K対応のモニタで見ているわけではないので、そのポテンシャルをつぶさに吟味できるわけではないが、映像はきめ細かく美しいのはわかる。それはそうだ。ハイビジョンの4倍の密度があるのだ。
3、4分の映像を見る限り快適だ。

PHILIPS(ディスプレイ)28型 4K対応液晶ディスプレイ 5年間フル保証 288P6LJEB/11

さて、いずれテレビの規格は4Kに移行していくらしい。
家電業界の新規市場創出と、家電業界につながって利権を漁る連中のシノギでしかないが。

テレビは利権に塗れている。

地上波がアナログからデジタルに切り替わるタイミングで、国と家電メーカーと家電販売店がグルになって仕組んだ「エコポイント」という名の救済措置があった。
テレビ局が折にふれて「テレビがデジタルに切り替わると、今のアナログテレビは映らなくなります」としつこく脅しをかけた結果、需要喚起ができてみんながテレビを買い替えた。
しかし、需要の先食いをしたために、テレビの販売はひどい状態になってしまった。そのダメージは今でも続いている。
家電メーカーの人間たちが思い描いている回復策のひとつは、「HDテレビを捨てさせて、4K規格テレビに買い替えさせる」ことだと思う。
規格を変えて、今までのテレビは使えませんと脅して買い換えさせるのだ。
で、4Kって何なのか。
4Kとは、現在DVDに収録されている映像の24倍、ブルーレイに収録されている映像の4倍もの解像度を持つ映像規格。

「4K映像」が音楽にもたらす可能性とは?
大自然からセクシー系まで、映像美を誇るMVたち

http://realsound.jp/2014/08/post-1108.html

つまり、「とても画がきれいなテレビ」である。
テレビ放送が高規格化高画質化を目指すのは、技術面で見たら当然だ。そして、テレビを製造販売する企業、放送に関する利権を握る連中にとってもまた当然である。

じゃあ、テレビ/映像を見る側は高画質な映像を求めているのだろうか。
現在の地上波では技術的に4Kの放送は送出できないのだそうだ。で、現在考えられている4K放送はCSを使うのだという。となると、CSチューナーとアンテナを買うことが必要な人も出てくるし、テレビはCSチューナー内蔵のものが必要だ。
新しいテレビを購入して設置する手間をかけ、出費してまで、見る価値がある番組が流されるのだろうか。
まさか、タレントがひな壇にズラリ並んで、Youtubeで見つけたおもしろ動画を手を叩きながら見て感想を述べる番組を4K放送したりするんだろうか。
芸能人が悪ふざけをするとか、企業とのタイアップで長尺のCMにしか見えないような番組だとか、そういうものを放送するんだろうか。
では、放送を離れたとき、4Kのパッケージソフトやネット配信ができたとして、何を見るんだろうか。
美しい環境映像だろうか。PVだろうか。アダルト動画だろうか。高精細でしわがくっきりわかるアナルでも鑑賞するのだろうか。

Youtubeの粗い動画でも取りあえず楽しめている身としては、4Kは当面必要ないとぼんやり考える。まあ、4K対応40型テレビがいまのHDTVと同じくらいの価格以下になったら購入を検討してもいい。その日はそんなに遠くはないと思える。
ORION 32型ハイビジョン液晶テレビ BK LX-321BP
思えば、Youtubeの登場で私の映像視聴習慣はすっかり変わった。
Youtubeはテレビでは見られないような映像、もうテレビでは見ることのない映像があって、そこから<お宝>を探して検索の旅をすることが楽しい。
その場合、多少画質が悪いというのは関係ない。

どんなものが見られるか、それが重要だ。




4Kテレビが求める新映像美 (PJ選書)

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