結局制作は開始されなかった。「YAMATO2520」も3話までソフトが発売されて中断した。
西崎義展逮捕、裁判、収監、服役で「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」の話は立ち消えた。
が、1997年頃、別の「宇宙戦艦ヤマト」リメイクの話がメディアを賑わすようになった。
ネットを検索していたら、こんな文章に行き当たった。
「宇宙戦艦ヤマト」の映像化権は、今までずっと西崎義典氏の会社に所有されていた。だから松本氏にとっていかに愛着のある作品だったとはいえ、西崎氏との共同プロジェクト以外に映像化する方法はなかったわけだ。
しかし、本人から直接聞いたところによると、松本氏はこの権利を昨年のうちに西崎氏より買い取った。そしていよいよ今年から「新・宇宙戦艦ヤマト」の準備にはいるという。このマンガに登場するヤマトは、松本氏による「ヤマト復活宣言」であろう。
全国2000万人のヤマトファンよ、刮目して待て!
002-2/11 宇宙戦艦ヤマトの復活だぞ!!これは1997年ごろ、当時はちょっとだけ流行ったウェブマガジンのひとつ、「おたくWeekly」の記事である。
http://www.netcity.or.jp/otakuweekly/BW0.2/topics2-2.html
「おたくWeekly」は編集長として岡田斗司夫の名前がクレジットされている。ウェブサイトの利用者がグッと増えて「インターネットビジネス」がウェブ上に色々と出ては消えた頃のものである。
このコラムを書いた原えりすんという名は何かで目にしたことはある気がする。検索してみると、評判はよろしくなかったひとのようだ。
「西崎義典」とか「ヤモト」とかウェブサイトなのに誤植放置なのがちょっとおもしろい。
典型的なオタク文体でなかなかキモチ悪い。
原えりすんは事実誤認を松本零士御大ご本人から指摘されるのだが、その時に松本零士が述べている内容がなかなかイイ感じ。
・自分のことを考えて他人の後を追うな
・つらい時はメシを喰え
・自分がノイローゼになるくらいなら他人をノイローゼにしろ
この記事で言及されているのは、松本零士がベンチャーソフトというインターネットビジネスの会社(当時)の出資を受けて作ろうとしていた「新宇宙戦艦ヤマト」のことだと思われる。
「新宇宙戦艦ヤマト」は、「宇宙戦艦ヤマト」が地球に帰還してから1000年後を舞台に、
古代進32世はじめ、かつてのヤマト乗組員の子孫が集まり、北極海にあるグレート・ヤマトに参集して地球の危機のために闘うという話が構想されていた。
この企画は、西崎義展対松本零士の著作権裁判の結果を受けて大きく軌道修正し、「大YAMATO零号」というOVAシリーズとして制作された。
「おたくWeekly」のページは残っていて全編読める。
岡田斗司夫の周辺にいた人たちのコラムが読める。この人たちは遠からず「おたく史」のなかで語られることになるのだろうか。
個人を取り上げて(バカ)とさんざん揶揄していた唐沢俊一は、著作での剽窃がバレて露出の機会がずいぶん減った。
http://www.netcity.or.jp/otakuweekly/
ゼロ年代前のオタク業界の雰囲気がわかって楽しい。
んー、楽しくはないのか。おもしろい、かな。
「大YAMATO零号」の第一話は凄まじいです。
返信削除音を消して酒を片手に画面に酔おうと思えばこれほどまでに〝松本零士〟な作品は他にはOVAの「クイーンエメラルダス」くらいじゃないでしょうか。
それほどまでに純度120%な松本色です。
松本零士の絵が、ノリが好きならこれほど酔える作品もなかなかないかと。
まぁ「ヤマトが好き」ってだけの人から見たら「ふざけんじゃねー!」ってなるんでしょうけど。
音を消して「大YAMATO零号」の第一話の画面を見ると、確かにご指摘通り〝松本零士〟なテイストですね。描線は明らかに松本零士のマンガのそれを踏襲しようという意志が色濃いですもんね。
削除「銀河鉄道999」劇場版は松本零士のタッチなのかなと思ってたのですが、よく見れば作画監督の小松原一男のテイストですものね。
プレイステーション版「宇宙戦艦ヤマト」に収められた動画は、かなり松本零士タッチじゃないでしょうか。
と書いてて、松本零士のタッチって今は価値を持たなくなったなあ、と感慨に浸ります。
大YAMATO零号は最終回以外は評価していません。
返信削除それまでの話がまるっきり「コピーを貼り付けた絵」と「わけのわからないナレーション」を
アニメ化したみたいでおもしろくないです。
松本先生、あなたが作りたかったヤマトって、こういう話だったんですか?
いっぺん訊いてみたいです。
松本零士はいちおう風呂敷を広げるのですが、畳む気がない。
削除畳むのが面倒だと、「わけのわからないナレーション」を多用する。
松本零士が「自分が作りたいヤマト」を作ろうとしたら、優秀な脚本家と監督の力を借りないとできないでしょう。
で、それに文句をつける。