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2016/11/24

『宇宙戦艦ヤマト2202』の予想は当たるのだろうか?

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』を予想した動画、というか、テキストである。

動画の形式で、文字をスクロールしているだけだ。
ブログでやらないでこういう形で文字情報を見せるのは流行なのか。





『さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち』という映画があった。

1978年公開の映画だ。

おそろしいことにざっと40年ほど前のアニメ映画の作り直しが決まった。
上記の動画は、その内容や設定について類推した文章をムービーにして見せたものだ。
二次創作ではない。そこまで行かない、いわば<設定ごっこ>をしているのだ。
こういう設定なら面白いんじゃないかな、と控えめに言っている感じだ。
アニメファン(の一部)や特撮ファン(の一部)には、新作についてその内容や設定や登場人物を予想するのを趣味とする人がいる。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』は、『さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち』とTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』の再制作である。前者に沿って作るとヤマトは乗組員の大半が死に、ヤマトも特攻をかけて宇宙の藻屑と消える。なので、特攻をしないエンディングを採用した『宇宙戦艦ヤマト2』がベースになるのかもしれない。

それだけではなく、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』はやっかいなことに『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編である。
『宇宙戦艦ヤマト2199』において、ヤマトは地球を復興させるコスモリバースシステムのを組み込まれ、その代わりに波動砲は封印された。そしてコスモリバースシステムの核には沖田十三の思念が宿っているのだ。
『宇宙戦艦ヤマト2199』はきれいな終わり方をしたが、Blu-rayやDVDが売れて儲かり、テレビ放映も評判は上々だったので続きを作ろうという話になった。
経済の面で見れば、続篇は当然である。


劇場でファンが涙した場面。
これからあとは、劇場内からすすり泣きが断続的に聞こえてきて、それはエンディングまで続いたのである。
だが、カネになるのならば、死人だってちゃっかり蘇るのだ。
チャンバラもの映画の昔から、重要な人物の死を描くのは、客にウケる黄金パターンだ。だけど、安直極まりない。
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』はその点、どうするんだろうか。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』制作のアナウンスに期待の声を上げた人たちがいた。
『宇宙戦艦ヤマト2199』はどうしようもない駄作だった、総監督の出渕裕は戦犯だ、と言ったような声がネットにあがっている。検索すれば、長文のブログ投稿記事が出てくる。
そのように言う人の一部が、続篇としての『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』にはおおいに期待を寄せているようである。期待を寄せるばかりか、設定やストーリーをあれやこれやと妄想し、こうするとおもしろいぞと「提案」している人々がいる。

この動画制作者もそういった人々のひとりなんだろうか。

人気アニメの再制作というと、<以前の作品の人物や設定、ストーリーをどれだけ引き継ぐか、または引き継がないか>ということに注目が集まる。
それは、作品が成功するかしないかを左右する。
『さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち』は、TVアニメを再編集した映画を公開したところが思わぬヒットになって、作られた。
14万8千光年の旅を終え、地球に持ち帰ったコスモクリーナーDによって地球が昔の青い星に戻ったという大団円を迎えた作品に、無理やり続篇を作ったものだ。
だから、ヤマト地球帰還からわずか1年でもって地球は復興して、人々は破滅の縁に立ったことも忘れて繁栄を享受し、堕落してしまったのである。
地球防衛軍もわずか1年で新しい旗艦・アンドロメダを建造した。
で、敵は破壊のための破壊が目的で超巨大戦艦を都市帝国に偽装してさらに彗星に偽装して行く先々で侵略を繰り返すというガトランティス帝国。
ただ敵として存在する敵。
その敵によって地球防衛艦隊は全滅してしまい、残るは大破したヤマトのみ。
とっても強い敵が出現したので、特攻してやっつけます。さよなら。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』は、こういった<無理>をどう書き直すんだろうか。

そもそも、さして面白くなくてストーリーも破綻していた『さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち』と『宇宙戦艦ヤマト2』を面白い作品に仕立て直せるのだろうか。
上で紹介した「予想動画」に代表されるような、ファンが考えた設定やストーリーラインって、なんだろうか。
私はヤマトについてこんなに詳しいんですよと、知識をひけらかす効果は発揮するかもしれない。
いくつか読んでみたが、おもしろいとは思うものはなかった。
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』を創る人たちは、シロウトがひけらかすようなストーリーとは比較にならないような、おもしろいものを提示しなければならない。
そう願う。

今回のシリーズは、おそらくはさらなる続編を狙うようなストーリーになるはずだ。
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』が経済的に成功を手にした場合、続篇を創りましょう、とソロバンを弾く人がいるのだろう。
暗黒星団帝国、その次はガルマン・ガミラス帝国とボラー連邦、大ディンギル帝国、SUSと作り直すのだろうか。
今後数十年の期間、ヤマトは作り直され、やがて世代が代わってまた作り直され、というリンネテーションに入っていくのだろうか。




個人的に昔の人気作品を再度制作するという作品には、旧作品とは違うものを見せてほしいと考える。
以前見たのと同じ話をきれいな画で作ってみました。
それは面白くない。全然面白くない。
新しい話、新しい場面が見たい。
新しい人物が出てきてもいい。
面白ければ。


で、最初のYouTube動画のお話に戻る。
ブログでテキストで公開する手法を取らないのは、注目を集めやすいYouTubeで流してアクセス数を稼いで広告収入を得ようということなんだろう。
だけど、1分もあれば読めるようなテキストを数分の動画に仕立てるのはイライラする。

とはいえ、アクセス数は、ネット住民の『宇宙戦艦ヤマト2202』に対する関心度を推し量る指標にはなるのだろうか。
広大なアニメファンの経済圏にあって、特化したマーケットを確保(したかにみえる)『ヤマト』はふたたび成功の果実を得ることができるのだろうか。


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