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2016/03/22

北米版ブルーレイはなぜ安いんだろうか。

日本のDVDやブルーレイの高さには呆れる。

むかし、『ブレードランナー』の『ファイナルカット』が出たタイミングで5枚組DVDセットが発売された。『ファイナルカット』は『ディレクターズ・カット』をもとに、リマスター、デジタル修正をしたものだ。
5枚組DVDセットはこれまでの『ブレードランナー』の全バージョンとドキュメンタリー、特典映像が収録されている。

このDVDセットを買おうとしてamazonで価格を調べると、1万5千円。
これは高いと思って、アメリカのamazon.comで同種のソフトを調べた。すると、日本円にして2,000円を切る価格だった。日本語字幕は付いてないけれども、この価格は魅力的だったので注文した。

値段は7分の1。



『ブレードランナー』のコンピレーション盤はその後も出続けて、『ブレードランナー』マニアからカネを吸い上げている。



日本の映像パッケージソフトはバカ高い。

売る側は、マーケットが英語圏に比べたら小さいだとか、特典がたくさん付いているだとか、マニアックな作品でプレス枚数が少ないからだとか、デジタルを使った高画質化にカネがかかるだとか、色々理屈をつけている。

アニメが好きだという人たちは、そんなバカ高い映像ソフトを買う。

売ってる側は足元を見てニヤニヤしているんだろう。

かれこれ40年くらい前のアニメが7,560円で、アマゾンの値引きで5,263円もつけて売りつけているんだぜ。



アメリカのamazon.comでDVDやブルーレイのソフトを検索すると、あまりの安さに驚いてしまう。
日本のメジャーなアニメーション映画や特撮映画がほぼ網羅されていて、日本版に比べるとはるかに安く設定されている。
日本のAmazonにアクセスして、DVDカテゴリーで「北米版」で検索してみると日米の価格差を実感できる。

北米では数を売って利益を上げるという形だろうか。

一方、日本は財布の紐がゆるい特定映像ジャンルのマニア層を狙って単価を上げる。
日本はVHSの時代からソフトがバカ高い。
なので、みんなレンタル店で借りるようになった。レンタルのほうが安いので、セルDVDはあまり売れない。
レンタル店にあまりないOVAだとか深夜アニメや特撮モノのDVDは高い値段がついた。
特典映像だとかオーディオ・コメンタリーは付いてるが、なにしろ高い。
でも、マニアは買う。

レンタル店が不採算で

例えば、
平成ガメラ3部作が収録され、特典映像も収められて1,666円だ。
映画を観に行くよりも安いではないか。



日本盤を買った場合はこうなる。
3タイトル買い揃えて8,754円。




7,000円の差額がある。
7,000円もあれば、色んなことができる。

この埋めがたい格差。
この格差は、もう何年も前から指摘されているものの、あまり改善は見られない。
メジャーな洋画タイトルでは1枚1,000円くらいのものが出てくるようになったが、アニメや特撮モノやアイドルビデオなどは相変わらず高額だ。
そうこうするうちに、月額千円くらいで映像コンテンツ見放題の配信サービスが出てきた。
ソフトはパッケージソフトに限るというひとを別にすれば、多くの人は配信サービスに移行していくだろう。
その結果として、DVDやブルーレイの販売枚数は減り、レンタル店は不採算で消えてゆくだろう。
しかし、マニアをバカにしている強欲きわまりない供給側は、ニヤニヤ笑いながら高額なパッケージをしばらくの間売りつけることだろう。

その後、『ブレードランナー』の5枚組DVDセット国内盤は中古で3,000円くらいのものを見つけたので買った。

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