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2013/03/04

ハイビジョンの次は4Kテレビだそうだ。


テレビのお話だ。
私は、32型液晶テレビ録画機能付の価格が4万円を切るのを待って買ったような人間である。しかも、アナログ放送が停波したあとで買った。かのエコカードの恩恵はなくなったが、テレビは大幅に値崩れしてしまった後で、しかも無名のファブレス企業の録画機能付きでそこそこ画面の大きなテレビが携帯電話よりも安価になってしまっていた。
フルハイビジョンではないけれども、個人的には問題なく、キレイだなあと感心しつつ見ている。1週間で2、3時間しか視聴しない人間なので、画質にコストをかけようとは思わない。

20数年もブラウン管テレビを見続け、アナログ放送が停波したあとで買ったセミハイビジョンの格安液晶テレビに満足していたら、来年にはハイビジョンの次の規格による放送開始というニュースだ。


 4Kテレビはフルハイビジョンの4倍の解像度を持ち、水平画素数が約4000あることからそう呼ばれる。もともと2016年の放送開始を予定していたが、インターネットで視聴できるスマートテレビが登場したことなどにより、2年前倒しを決定した。
 4K放送は現在の地上波では送れないため、スカパーJSATが管理するCS放送の基盤を利用する。受信するには高精細の次世代テレビを新たに購入する必要がある。日本の家電メーカーは4K技術で世界に先行しており、新しいテレビ市場が期待されている。
4Kテレビを成功させるには日経新聞)

4K放送を受信するためにはCSのチューナーが必要。もちろんアンテナも必要だし、4K放送を録画するレコーダーもほしくなるだろう。
肝心の4Kテレビ自体はいくらするんだろうか。

新ステージ突入!ソニーの84V型4Kテレビ「BRAVIA KD-84X9000」

84型とはいえ、168万円もする。
しばらくは富裕層というか成金向けの商品ということになるのだろうか。
数年経ったら、地上デジタル放送移行で売りまくった液晶テレビの買い替え需要掘り起こしの主力商品になるのだろう。

フルハイビジョンの4倍という規格は、そもそもデジタルシネマのためのものであり、その開発には10数年の時間が費やされてきたのだという。
コンシューマー向けというよりも、映画の配信、工場などでの製造過程監視、道路や建物など構造物の異常検知、医療現場で画像診断や遠隔診療などでの活用、監視カメラからの犯人の割り出しなどといった業務・ビジネス分野での活用が期待されているのだ。
となると4Kテレビは、カメラや放送設備、画像を圧縮するコーデック、伝送技術、ブルーレイディスクなどのストレージメディアの技術の革新も促すということになり、経済的な波及効果もとても大きいだろう。

ただし、監視カメラに使われることはとても気になる。
街じゅうの監視カメラが高精細なものになると、警察やら権力者たちは治安を守るという美名の下、我々の高品位な映像情報をいともたやすく入手できるようになるわけで、それがどうにも気に食わない。
連中は街や店や病院や公的施設で記録した映像を蓄積し、分析をする。
鮮明な顔写真も動画も簡単に得られる。また、映像の分析から、様々な人間の「犯罪行為」も蓄積されていく。もちろん、それは犯罪の抑止に多いに役立つんだと思う。
しかし、一方では覚えめでたくない者をかんたんに逮捕できるようになるのかもしれない。

「あなたを逮捕します」
「とんだ濡れ衣だ。私が何をしたというんだ?」
「ほら、あなたは軽犯罪法違反だ」
で、高精細なモニタで立小便するおのれの姿を見せられる。
「それだけではありませんよ」
高速道路の制限速度を超えて運転するおのれの姿。しかも、助手席には不倫の相手だ。
年金やら健康保険、免許証にひも付けされて、個々の情報が蓄積される未来が来るかもしれない。いや、昨今の事件報道を見るとしれっと「監視カメラの映像を分析したところ」などと言っているから



HD規格大画面テレビの市場で韓国に完膚なきまでに敗北し、中国に猛追されている日本の家電メーカーは、4Kテレビで次なる闘いに備えるようだ。

4Kテレビは、テレビ受信機の中で、値段がこなれて安くなったら、ハイエンドの商品として消費者に受け入れられるのではないかと期待する。そこで日本のテレビメーカーがビジネスを優位に展開するためには、今のうちから4Kや8KをNHKのようにやっておくことが必要ではないか。また、韓国や台湾のテレビメーカーが安く作ることが出来ないような技術的な仕組みや部品の供給のシナリオも必要であろう。私は、そんなことをしてもこの国際分業化の時代に空しいと思うが、日本政府の考えはそういうところなのであろうと見ている。

4Kテレビは安くなる。そして売れる --- 西 和彦


まあ、官民連携で市場づくりと利権の確保に汲々するという、「エコポイント」の時のようなバカ騒ぎが数年のうちに起きるんだろう。
問題はコンテンツだ。
映画や自然紀行番組などは映像のクオリティが高いほうが楽しめる。4K化は喜ばしいことだ。しかしながら、今の民放の大半を占めるバラエティ番組を現在の4倍の解像度で見ることには意義を感じない。
アイドルだとかお笑い芸人だとかがひな壇に座って内輪話をしながら手を叩いたりする様子だとか、あまりよろしくないマナーでメシを食ったりする様子を4倍の解像度で見たいと思わない。
ドラマも、女優さんの肌が衰えてたり、厚塗りの化粧をしている様子があからさまになってもうれしくはない。まあ、リアルタイムで肌やら体型を修正する技術が出てきたりするのかもしれないけれども。
AV評論家は、もちろんポジティブに捉えているし、ヨイショをしている
ま、専門分野に特化して<評論家>を自称する人は家電メーカーやらオーディオメーカーを持ち上げて、そのおこぼれで食ってきたわけで信ずるに値しないけれども。





私はテレビにはテレビ東京の一部の番組以外はほとんど興味を失っている。
MacやiPadでもってストリーミングを視聴する時間のほうがテレビ視聴よりも圧倒的に多く、画質がいい配信に出くわすと快哉を叫ぶタイプである。
テレビ以外の映像コンテンツが充実してきて、画質や音質もストレスを感じないで見られるものが増えた。
とくにiPadでリアルタイム配信を鑑賞するのはなかなか興奮する。10インチの画面だけど、間近から鑑賞するのでけっこう迫力があっていい感じだ。

さて、テレビだ。
60型くらいの4Kテレビが3万円を切った頃に買おう。
各国入り乱れたコストダウン競争に期待しよう。
そうしよう。

しかし、4Kの次には8Kが控えているのだそうだ。
うーむ。…


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